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コミュニケーションハウスの坂倉さんをコーディネーターに迎え、在宅ワーカーとして活躍中のお二人に、仕事の発注サイドも交えた、在宅ワーカーを目指す人に勇気を与える本音トークの座談会です。
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お二人が在宅でお仕事を始められたきっかけは何ですか。 | ||
出産前に勤めていた就職情報誌の会社は残業が多くて、子育てと両立ができないと判断して辞めたんですが、仕事柄、フリーのライターやデザイナーと接する機会があって、起業型の在宅ワークをしている主婦の方もいたので、「私にもできるのではないか」と考えて始めました。 |
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私は周りに応援団がいなかったので、子どもの成長を見守りながら、家族に反対されない範囲でできる仕事ということで在宅ワークを考えましたが、何もない状態でしたので、まず、パソコンを1台買って、入力の仕事を目指しました。 在宅ワークは、自分で選べるし、投資した分は手元に残るところが魅力ですね。 |
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在宅ワークをする時に、気を付けた方がいいと思われることはありますか。 | ||
まず、万全の体制です。 「小さい子どもがいるから在宅ワークを始めたい」という動機をお持ちの方も多いと思いますが、仕事である以上、プロとして、緊急時の子どもの預け先など、周囲の協力を得た危機管理が大事です。 また、時代の流れに遅れないよう、必要なソフトや環境は整えておくべきですね。 |
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最初の仕事はネットから取ったんですが、相手の顔が見えないので、信用されるように必死でがんばりました。 また、クライアントさんが電話で依頼する場合、こちらが当然わかっていると思って省略する部分があるかもしれませんから、問題があったら、わからない点をまとめて要領よく質問をすることも大切です。 わからない点を遠慮なく聞く人の方が、むしろ、安心感を持たれると思います。 最初は無理のない量でゆっくり始める方が安全かもしれませんね。 |
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「こんなことを聞いたらダメと思われないか」と心配することはありませんか。 | ||
先方もメールの書き方に慣れていない時があって、きつい言い方のメールが来るとびっくりしますね。 でも、大体の場合は単純に違いを指摘しているだけなので、すぐに対応すれば、逆に良い印象が残ると思います。 |
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ミスをチャンスに変えると。 | ||
クライアントと会話をすると、少し近づくことにもなると思います。 それで、「これはこの方がいいですね」と自分の方から提案していくと、次のステップに進めるきっかけになるかもしれません。 |
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最初は、時間がかかって、報酬がこれだけということもあるかも知れませんが。 | ||
在宅ワークの場合、最初から高収入はほとんどないんです。 率の悪い仕事から始めて、評価されて、別の仕事も声を掛けてもらうというところがありますね。 |
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在宅ワークは、家にいて人に会わずに仕事をするというイメージがありますが。 | ||
作業面では、家に閉じこもった孤独な仕事ですが(笑)、ライターの仕事でいろいろな人と出会うチャンスがあって非常に刺激になりました。 精神的なパワーをもらう出会いの場があったと思いますね。 |
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佐久間さんは、地域のお母さん方とネットワークをつくられているようですが。 | ||
私と同世代の方は、「そろそろ、コンピュータを使えないとダメか」と思っている人が多いので、そういう人に声を掛けて、入力から手伝ってもらっています。 入力の仕事は単価が低いんですが、それでも「やりたい」と言ってくれるんです。 自宅でパソコンの入門部分を教えていますが、私の方も自宅付近にネットワークがあると、仕事の話が流れてくるという良い面もありますね。 |
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伊藤さんは在宅ワーカーと仕事をされていますが、どこで出会われたのですか。 | ||
前の会社の同僚やパートの方など、知り合いにお願いすることが多いですね。 仕事で係わる方の特性を把握して、仕事に応じて連絡を取ります。 こういうやり方をすると、その方の仕事に対する姿勢がわかるので、仕事を出す方としては安心できるんです。 それでも手が足りなくなると、知り合いの知り合いを紹介してもらいます。 責任感のある人は責任感のある人を紹介してくれるからで、そういう形でネットワークが広がりました。 できるだけ会うことも大切です。 メールや電話で依頼の連絡を取る時に、1回会った方にお願いすると安心感が違います。 1回会って話をすると、10回のメールよりも速いと思っています。 |
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報酬について伺いたいのですが。 | ||
これが一番難しいところで、クライアント側から見れば、評価できるのは納品物だけですから、100点に近ければ報酬は高くなり、手直しが必要なら低くなります。 逆に在宅ワーカー側から見ると、同じ仕事でもパートの報酬より低くなることがあります。 もちろん、その人にしかできないというところまで技術が高まれば単価は高くなりますが、入力からスタートすると、できる人が多いので価格競争になります。 自分が在宅ワークを選んだ理由が整理されていないと、金銭的な不満が出てしまうと思いますね。 |
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現状は「パソコンを買ったのでSOHOで稼ぐ」というのはかなり無理で、スクールを出てすぐに大きな仕事を取れるものでもありません。 ある程度の経験が必要なので、余裕があれば、パートに出ると自分のレベルがわかると思います。 私は、デザインの仕事もしていますが、デザイナーと同じ単価の仕事は来ないので、最初は個人の客から始めるという感じですね。 入力もエクセルだけではなく他のソフトの使い方も日頃から気にかけて、他の人より効率を上げる努力をすると、ステップアップにつながると思います。 やはり、視野を広げて余裕を持って仕事に当たるといいかもしれないですね。 |
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「テープ起こし」は入力さえできれば家庭で手軽にできると思われがちなんですが、非常に作業時間のかかる忍耐と根気のいる仕事です。 私はタイピングが遅かったので、時間給に換算すると「パートに出た方がまし」という状態でした。 それで、無料の体験講座に行き、タイピングを練習してスピードアップして、時給的にも納得できる金額になりました。 |
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成功するコツは何でしょうか。 | ||
在宅でも主婦の片手間仕事ではなく、プロ意識を持って最後まで仕上げることが第一です。 子育てとの両立は難しいですが、危機管理をした上で納期の管理をすることも大事です。 コツは仕事の中に楽しみを見つけて続けていくことですね。 |
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待っていても仕事は来ないので、できるだけ納品は持って行って、クライアントとコミュニケーションを取って、経験のある仕事があればアピールします。 その他では、いろいろなところに顔を出すことも仕事につながりますね。 また、コンスタントに仕事を取るには、取引のあったところに、用事をつくって度々足を運ぶのもいいと思います。 |
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